お外で生きる猫たちは、一見、のびのびと自由に見えるかもしれません。
ですが、その猫たちを取り巻く環境は、快適なものばかりではないと、私たちはみつきと出会って知りました。
たとえば、虐待。他にも交通事故や、不衛生な食事や水不足による病気など、幸せなだけではない過酷な生活を送っています。
そこで、ご縁のある猫がいたら、保護することを視野に入れてもらえたら、こんなにうれしいことはありません。
一緒に家で暮らすことで、虐待や事故、感染症などの危険もない、安全な猫生がまっとうできるのではと願っています。
(1) 猫を保護したらすること
猫を保護したら、まずは動物病院に連れていきましょう。
病院では、次のようなことをしてもらえます。
? 健康状態の診断
パッと見では健康そうでも、ノミや寄生虫は、ほぼいます。また、感染症のウィルス検査も、時期を見て行うことができます。
? 予防接種
命に関わる病気の一部は、予防接種をすることで防げます。
? 飼い猫かどうかを調べる
野良猫のように見えても、マイクロチップなどが挿入されていた場合、飼われていることがあります。迷子猫の場合は、警察や愛護センターに届けを出しましょう。
(2) 家に連れてきたら
最初はケージ内で生活させるのがおすすめです。
突然広い空間に置くと、猫も落ち着かない可能性があるからです。
また、ケージの3面は布で覆うなどすると、猫も隠れることができ、安心できます。
先住猫がいる場合は、感染症の可能性がなくなるまで、接触は避けましょう。
接触させていく際も、先住猫にとって「この猫は、自分に危害を加えない」と思える距離が大切です。
少しずつ活動スペースを広げ、徐々にあたらしい環境に慣れていってもらいます。
最初は、鳴くこともありますが、しだいに落ち着きます。心配しすぎないよう、ゆっくり家族になっていきましょう。
・ごはん
子猫と成猫とでは、食べるものが違います。
すでに離乳済みかどうかを病院で確認し、年齢に合わせたウェットフードやドライフードを用意します。
まだ離乳していない子猫は、猫用のミルクが必要です。普段私たちが口にする牛乳は、下痢をすることがあるので、与えないでくださいね。
・トイレ
離乳前の子猫は、自分でトイレができません。おしりを、ぬらしたティッシュなどでとんとんと優しく刺激し、排尿、排便を促してあげてください。
生後一か月くらいで、自分でトイレができるようになるので、猫用のトイレや、それがない場合はダンボール箱や100円ショップなどに売られているA4書類ケースなどに、トイレ砂を入れます。
最初は失敗してしまうこともありますが、そのたび、トイレに連れて行くことで、徐々に覚えていってくれるので、気長にいきましょう。
・寝床
毛布やタオル、古着などをケージの中に入れておくことで、体温を下げずにすみますし、安心して眠ってくれる可能性があります。また、古着の匂いで環境や飼い主に慣れるのも早くなります。
特に子猫や病気の猫は保温が大切。湯たんぽやお湯を入れたペットボトルにタオルを巻いて、置いておいてあげてください。
新しい命を迎えることは、しあわせなだけではない、大変なことも多いかもしれません。
だけど、困ったこと、心配なことを、乗り越えて、本当の家族になれたとき、すべての苦しさは吹き飛びます。
あなたと、その猫が、しあわせな人生を送れますように。
イラスト・MARU
http://marucat.blog.jp