11年前。
思えば、「西暦2000年」…なんて、ひとつの区切りの年だった。
私と、今のダンナさんである彼が、一緒に暮らし始めて1か月くらいが経った頃、
突然、実家の母から連絡があった。
「どしゃぶりなのに、庭で子猫が鳴いてたから、保護してしまった!」と。
(ん?なんか最近も母から聞いたぞ。こういう話(笑))
徒歩15分くらいの場所にある実家に、ふたりで見にいく。
「顔はぶちゃいくなんだけどね…」としつこいくらい繰り返す母の隣で、
猫を保護したという倉庫の中を覗くと、
ずぶぬれの、手のひらくらいのかたまりがいた。

(▲少し大きくなってから)
目はめやにで開かず、鼻水だらけ。
まっくろくろすけみたいで、どっちが前かもわからない。
だけど…ふたりそろって、一目で気に入った。
ふたりで暮らすハイツに連れ帰る。
だけど、ごはんを差し出しても、食べようとしない。
病院に駆け込んだ。
はじめての動物病院で、子猫を診せる。
「どんなものなら食べるのか?」「どう看病すればいいのか?」と詰め寄る私に、
しかし、年配の獣医さんは言いづらそうに眉を寄せ告げた。
「もし、食べられるものがあったら、何でも食べさせてあげてください…」
余命宣告だった。

(▲なかなか目が開かなかった。この頃から、瞬膜が目立つ)
当時、私はa/d缶や強制給餌というものの存在すら知らなくて、
それでもなるべく栄養のありそうなものをペットショップで買い与えても、
無理だった。
獣医さんの言葉がよぎる。
そんなとき、子猫が唯一興味を示したものがあった。
たまたま人にもらって、私がパンに塗っていたクリームチーズ。
だめでもともと…と、ぐったり縮こまる子猫の口元にチーズをつけた。
ペチ、ペチ…
ちいさな舌で、子猫がなめる。
その頃、私たちはド貧乏で、クリームチーズなんて高級品、たまにしか買えなかったけど、
必死でお金を集めて、いろんな種類のチーズを買った。
次から次に、子猫は食べた!
私たちが貧乏だということを、獣医さんも気付いていたのだろう。
私たちには無理だろう…と、おそらくあえて言わなかったと思われる言葉を、
何度目かの診察の際に、しかし、はじめて口にした。
「お金はかかりますが、インターフェロンという薬があります。試しますか?」
もちろん、即効で頷いた。
そして、その一回の薬で、子猫はいきなり元気になった。

(▲ごはんを欲しい時のおねだりのポーズ。自分で自分がかわいいとわかっている)
最初は、「猫を飼う」なんて考えもしていなかった彼が、
気が付けば、名前を何にするのか話し始める。
ふたりで、悩みに悩みまくった末、決めた名前。
「ビー」
悩んだ割には、由来はあるようであまりない。
Blackの「B」
風邪をひいて、「ビービー」鳴いていたから「ビー」
目がビー玉みたいだから「ビー」
英語で「存在動詞」である「be動詞」の「be」
…もはや、こじつけ(笑)
それでも、それから11年間、私たちはその名を呼び続けた。
「ビー」
晴れた日も。
雨の日も。
ごきげんさんな日も。
しんどそうな日も。
何度も。
何度も。
何度も。
何度も。
由来も意味も、必要ない。
たったひとつ。
私たちの大切な愛猫の名前。
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今回は、「年をとろう」
まだビーが抗癌治療中で、きっと治ると信じていた時に書いたお話です。
今、彼の姿が見えない今、私は尚更ここに書いた言葉を大切にしなければと思います。
もしよければ、「ハートネットの方の記事のコメント欄」でも、
ささいな一言でも、お言葉を残していただければしあわせです。
* お返事 *
ウン、昼間はそうでもないのですが、夜になるとなんだか落ち着かない表情をします。
私自身も…
おねんねをしてから、1週間が過ぎ、ちょうどそういう時期なのかもしれませんね。
無理をしないよう、自然に身を任せ、さみしさを受け止めたいと思います。
そして、同じように、他の子のおねんねで不安定な気持ちを抱えている猫さんたちも…
さみしさが消えることはありませんが、同じだけ、今あるしあわせも抱きしめていきたいですね。
私も、猫を慰めるふりして、慰められています。
(でも、ヒナにチュッチュしてたら、唇噛まれました…痛い…(笑))
仙台のけんさん、仙台の被災猫さんたちの情報をありがとうございます。
今、ブログを拝見させていただいたのですが…
なんと、助けてくださった猫ちゃんのお名前が、「あい」ちゃんとおっしゃるのですね。
被災地にお住まいだからこそお伝えいただける情報…本当にありがとうございます。
*
ひきつづき、皆さんにお願いがございます。
皆さん、すでにご存知かと思われますが、福島県は27日、
福島第1原発の半径20キロ圏内の警戒区域で、放置された犬ちゃんなどのペットを調査して
保護に乗り出す方針を明らかにしました。
しかし、その方針はけしてゆるぎないものとは言えず、今後も不安がつきまといます。
そこで、「ペットと呼ばれる動物たちの生命を考える会(通称「ふりぺ」)」さんでは、
引き続き、緊急提言として、各関係機関に宛てて、
警戒区域内の動物(ペットまたは家畜等)を救護するために組織された専門家チームを、
警戒区域内に入らせる旨の緊急措置をお願いする「要望書」を提出しつづけるそうです。
最後の一匹が助かるまで、国の対応に目を注ぎ続け、
一人でも多くの方にこの現状を知っていただくよう働きかけたいとのことでした。
今、その賛同者さんを募っています。
賛同者さんの中には、ドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」の飯田基晴監督をはじめ、
獣医師さんや、芸能人の方、もちろん無職の方まで、沢山おられます。
動物の命を案じる方が…
よければ、下記サイトをご一読いただき、ご賛同いただける場合は、
この輪の中で、一緒に手をつないでいただければ、しあわせに思います。
■FreePets~ペットと呼ばれる動物たちの生命を考える会
※震災とペットに関する情報は、こちらもご覧ください
【おしらせ】
あいちゃんとお話できるチャットスペースに、遊びに来てくださってありがとうございます♪
なんか、また新たな言葉を覚えている様子…教えてくださってる方、ありがとう!

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