あいが使ったダンボール箱。
もう誰も飲まないあいの薬。
あいのために引っ張りだした古い猫ベッド。
我が家には、必要のないはずのそれらが未だに散乱していて、
そして、あいのごはん皿も…まだ片付けることができていない
あいの食欲が落ち始めた頃から、
それでも、毎朝、新しいカリカリに変えて、
もし少しでも食べたらすぐわかるように、と、
カリカリがまっすぐになるように、いつピッチリ上面を整えておいたお皿…
が
あいが、「おねんね」をした翌日に、乱れていた

「…誰かが食べたあ…あいかと思うじゃん…」
情緒不安定気味だった私は、それだけで半泣きになりながら、
それでもさすがに、「天使のあいが食べたのね」なんてメルヘンなことは考えなかった
それが、翌日

基本的に、うちは、あいのごはんは誰も食べない
猫エイズや白血病の感染を防ぐ為に、はなから好みをわけておいたのだ
ところが、どんどん減っていくごはん皿に、
夢物語でもいいから、あいがまだここにいる風景を思い描いてみると、
すこし、心がすくわれた
翌日

▲末娘ヒナ
夢は、きれいさっぱりすっきり消えた
あいの姿が見えなくなってからのヒナは、
まるで幼児がえりをしたかのように、あまえんぼうだ
頂いた小包の箱を、猛ダッシュでなぎ倒し(かなり背の高い箱だった)

穴から狙って、びっくり箱のように飛び出して、ひっかいてくる

「もう~」と怒りながらも、気が紛れる
そんなふうに、黒猫牧場のそれぞれが、
それぞれのかたちで、私たちの心を、そして自分たちの心をほぐそうとしていて、
私は、途切れることのない涙の中にも、ほんの少し、本当に少しだけだけど、
未来に、笑顔であいのことを語っている自分を想像できるようになった
もちろん…
まだ、その次の瞬間には、全てを飲み込むほどの濁流が押し寄せるのだけど
そんな、反応のさまざまな我が家にも、
たったひとつだけ、同じものがある
夜

心地よい場所は、いくらでもあるのに、
なぜか、皆であいが座っている場所に集まる
草花にいたずらをするわけでも、
お供えのごはんを食べるわけでもない
理由はわからないけれど、皆、集まる
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所長さんの優しさで、今日までお休みをいただいていたダンナさんが、月曜日から出勤します。
所長さんは、別に猫好きというわけでもなく…普通に世間から考えれば「たかが猫」なのに…
それなのに、繁忙期の最中にお休みをくださり、
その上、ご自身もそれを埋めるためにとても忙しいでしょうに、
電話でダンナさんと私のことを案じてくださるあたたかさに、涙が止まりませんでした。
ビーやあいの病気、そして、あいの「おねんね」があってから、
ここに来て下さる皆さんをはじめ、沢山の方々の「優しさ」に生かされていることを痛感しています。
私は、あいと出会うまで、そんなふうに考えることのできない人間でした。
『「やさしさ」なんて、所詮はうわべだけ』
そんなふうな私だから、あいがいなくなったら、
また昔の自分に戻ってしまうんじゃないかと…怖かった。
だけど…
人のやさしさに感謝できる…そうありつづけられたことに、自分でも驚き、
それを私に感じさせて下さった皆さんに、心から感謝します。
もちろん、誰よりも、誰よりも、あいに。
あいが、好きです。
今日も、好きです。
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