「その日」の朝、
あいの異変に、一番最初に気付いたのはビーだった
もともと、あいとビーは、大人になってから家族になった者同士で、
それなりに適度な距離を保っていたふたりだったのだけど、
春先にビーが癌になって以来、猫たち誰もが本能でビーを避ける中、
あいだけが、なぜかそばに寄り添い、それからまるで夫婦のように仲良くなった
それでも、兄弟のようにべったりいつでも一緒にいるわけではないふたりを、
私はどこかで、結局は、猫同士の「普通の関係」と思っていた
けれど…

あいが、庭の火葬車で「身体」と「想い」をそれぞれにしている間、
他人がいることを誰よりも嫌うビーが、
吹き抜けの階上から、ずっと階下の私たちを見つめていた
身体を支えていた骨というカタチが、あいらしい薄紅の入れ物に包まれたあと、
まるで、そこにマタタビでもついているかのように、ビーはすり寄り

何かをうったえるように、私たちを見上げた

やがて、お腹が減って、ごはんを食べるビー

食べすぎと言うくらい、食べても、食べても、おかわりをねだり…
食べながら、あたりをうかがう

かつてあいは、ビーの缶詰の残りを食べたくて、
いつもビーが食事をはじめると、
そのそばでじーっと、それが終わるのを待っていた
あいの身体が見えなくなった日−
それでもビーは、お腹いっぱいのはずなのに、ごはん場で、何度も私たちを呼ぶ
呼んでいるのは…「私たち」じゃないのかもしれない
今まで、実家の猫や、人の話を聞いて、
猫というものは、同居猫の不在に対してクールなものだとどこかで思っていた
だけど、ちがう
私たちは、今、なによりも、
ビーや、ぴょんや、ヒナの心に語りかけてあげなきゃいけないんだ
「だいじょうぶだよ」と
あいの姿が見えなくなってから、
私とダンナさんの心は、自分達でもびっくりするほど不安定だ
彼は、生まれてはじめての家族の不在に、心を落とさないよう必死で戦っているし、
私は、ともすれば、明日を生き抜く理由さえも見失いかけている
だけど…
私たちは、猫たちに、何が何でも、
もう一度「平安」を取り戻してあげなければならない
そして、
それは、
めぐりめぐって、きっと私たちの心にも届くだろう
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とりとめのない気持ちばかりをこぼしてしまう私に、
もったいないほどの、あたたかい…お心のこもったお言葉をありがとうございます。
メールなどにも、「お返事不要」のお心遣いに甘えてしまい、
お返事をお返しできずにいるご無礼をお許しいただき、心から感謝しています。
同じ痛みを受け止め、乗り越えて(もしくはともに歩む決意をかため)こられた方々のお言葉、
今いる子達への愛を、今以上にかみ締められた方々のお言葉、
猫との暮らしはないけれど、だからこそなのでしょうか、お心を寄り添わせてくれる方々のお言葉、
そして、お気持ちをかたちに変え届けてくださる、あたたかな小包…
すべてが、深い瓶の底で膝を抱えてしまっている私に、ぽたり、ぽたり、と、
愛の雫となって、降り注いでいます。
いつかきっと、雫が水溜りとなり、
私を、この瓶の入り口まで浮かびあげてくれることと思います。
本当に、本当に、ありがとう。
【PS】
あたたかいお気持ちの小包やその他をいただいておきながら、
お礼が遅くなり、本当にごめんなさい。
心から感謝しています。すべて、あいのそばに寄り添わせていただいています。
また、お心を「届けたい」とご連絡をくださる皆様、本当にありがといございます。
ですが、本当に本当にお気持ちだけで、十分すぎるほどしあわせです。
どうか、お気遣いいただきませんよう…ありがとう。本当にありがとう。
【PS2】
書籍をご希望してくださる方々…
昔のあいと出会ってくださり、本当にありがとうございます。
ご注文確認のお返事が、すごくすごく遅くなってしまい、ごめんなさい。
ゆっくりですが、ご連絡させていただきますので、今しばらくお待ちいただければ嬉しいです。
また「まだ在庫はありますか」とのご質問も、ありがとうございます。
まだ大丈夫ですので、お時間をいただいてしまうかもしれませんが、
ご連絡いただけましたら幸いです。
なお、カレンダーは、全て発送し終えたのですが、
もしも「まだ届いていない」「冊数やご希望メッセージに間違いがあった」など、
問題がございましたら、お教えいただければ助かります。
色々とご迷惑をおかけいたしますが、どうぞ宜しくお願い致します。
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