出会いは繁華街の路上。
フラフラと死にそうになりながら歩いていた彼女は、
偶然通りかかった私の膝によじ登り、
そのまま降りなくなりました。
歯という歯が抜け落ち、
ノミにシラミ、ダニだらけ。
3歳以上にもなるのに、体重は1.6キロ…
それでも懸命に生きようとする小さなこの命は、
不治の病 「猫エイズ」 と 「白血病」 に、
感染していたのです。
このブログは、
けして治ることのない大病を患う猫、あいと、
そんなあいを心から愛する、小さな家族の物語です。
■2009.12.24 あいは「おねんね」しました

あいは、出会って5年と10日経った穏やかなクリスマスイブの朝に、
ひだまりの中、ちょっと長いうたたねをすることに…したそうです。
年齢は、おそらく10歳以上。
猫エイズも白血病も発症せず、リンパ腫が原因の貧血により、
苦しむことなく、文字通り眠るように、家族の腕の中で目を閉じました。
(胸腺型でも消化器型でもなく、とても珍しいリンパ腫の状態であったそうです)
あたたかく見守ってくださった皆さんに、心から感謝いたします。
フィナーレのあとで(眠りに付いた日の記事)
■ほんの少し前のあい(2009年秋)

不治の病を患っていた“あい”との出会いから、
早4年半が経ちました。
「そう長くは一緒にいられないかもしれない」
と覚悟していた不安を打ち消すかのように、
今日もあいは元気です。
最新記事はコチラから
■あいの状態(2004-2009)
年齢:推定10歳以上(獣医さんの見立てでは、12~13歳以上ではと)
体重:出会い1.6kg→最高時5.2kg→永眠時4.1kg
症状:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)FIV:陽性 発症せず
猫白血病FeLV:陽性 発症せず
腎不全の疑い(一度悪化した腎臓の値でしたが、最終的に全くの正常値)
背中に親指程のしこり(良性の脂肪の塊)
最終:リンパ腫により、脾臓、肝臓付近、腰下リンパ節の腫れ(腫瘍)。
胃腸を除く体中に転移が見られ、重度の貧血に。
(腎臓や肝臓、肺などすべて正常)
(猫エイズや猫白血病を発症した様子はない)
嘔吐は全くなく、痛みや苦しむ様子もないまま、貧血によりうつらうつらすることが増え、
家族の腕の中で、一瞬「ンゥ…ンゥ…」と声をもらした後、穏やかに眠る。
リンパ腫がわかってからの闘病(緩和ケア)記事はコチラから
食事:サイエンスダイエットPRO シニア

お薬・サプリメント:D-フラクション(12滴/1日)

■他の家族たちとあい
我が家には、あい以外に3匹の猫がいます。
皆、ノンキャリアー(猫エイズにも白血病にも感染していない)猫です。
本来ならば、キャリアの猫と、ノンキャリアの猫は、病気の感染を防止するため、
同じ空間で生活をさせない方が良いのですが、様々な事情からうちでは一緒に暮らしています。
幸運なことに、暮らし始めて5年、他の猫への感染は見られません。
「本当は別々に生活させた方がいい」ということを大前提においた上で、
我が家で一緒に暮らす上で気を付けていることを書かせていただきます。
何かの参考になれば幸いです。
(1)ノンキャリア猫に、白血病ワクチンを打つ
毎年一回、ノンキャリアの猫に予防ワクチンを打っています。
※ワクチンは、感染を100%防げるものではありません。
※ワクチンには副作用があるため、注射直後は腫れなど注意して、適切な処置を行ってください。
(2)あいの食器とノンキャリア猫の食器を別にする
我が家の場合は、あいだけ別のフードを与えています。
(3)あいが水を飲んだら、すぐに水の皿を洗い入れ替える
(4)あいがトイレをしたら、すぐに排泄物を捨てる
どちらも、水の飲み方やトイレの調子のチェックにもなるため、安心できます。
(5)ケンカをさせない
猫エイズは血の交じり合うような傷から感染することが多いため、
じゃれあいまでは様子を見ますが、なるべくすぐに止めるようにしています。
グルーミングも、あまり長時間はさせないようにしています。
(と言っても、どちらもあまりすることはないようなのですが…)
上記のようなことを、できるだけしっかり監視・フォローできるように、
仕事は家でできる仕事をすることにしました。
私の都合で、ノンキャリアの猫に、病気と背中合わせの生活を送らせているため、
感染の可能性を少しでも減らし、しあわせに長生きしてもらえるよう、
これからも「希望」と「覚悟」を持って、がんばりたいと思っています。
2008年9月追記
2008年8月、猫エイズのワクチンが発売されました。
我が家の猫たちは、まだ接種はしていませんが、ワクチンについてお知りになりたい方は、こちらのページをご参考ください。
■皆さんからよくいただくご質問
Q.猫エイズや白血病は人に感染しますか?
A.大丈夫です。感染しません。
Q.あいちゃんはすでに発症しているのですか?
A.いいえ。現在は発症している様子はありません。
一度、初対面の獣医さんに発症を告げられましたが、その後も元気で4年半経ちます。
Q.あいちゃんは抜歯をして口内炎が治ったのですか?
口内炎が酷い子は抜歯をした方がいいですか?
A.あいの場合、明らかに悪い歯の周りだけが歯肉炎になっていたため、抜歯をしました。
術後は至って良好で、今では全く歯肉炎もなく、口臭もすっかり消えました。

▲歯は残り3本ですが、歯肉炎やベロにあった舌炎も、今ではありません
(口の奥の黒いプチプチは「模様」です)
ただ口内炎や歯肉炎は、一概に歯だけが原因ではない可能性もありますので、
(猫エイズや白血病が原因だったり、免疫系の機能障害や主要臓器の疾患など)
もしも猫ちゃんが「歯が原因」で「すでに抜歯以外の治療済み」の場合は、
もしかしたら、抜歯や歯石除去で効果はあるかもしれません。
獣医さんにご相談下さい。
但し、抜歯には、以下のデメリットもあります。
◎麻酔をするため、高齢な子や腎臓が悪い場合など負担になる
◎エイズや白血病が発症し免疫力が落ちている場合、傷がふさがりにくい場合がある
◎歯の専門の動物病院でないと、抜歯ができない場合がある
Q.あいちゃん以外の子は、ワクチンを打っていますか?
A.はい。白血病のワクチンのみ打っています。
Q.猫エイズだと避妊手術で発症する可能性があると言われたのですが、本当ですか?
A.あいも手術の際「麻酔が原因で発症するかもしれない可能性」を示唆されましたが、
結論から言えば、発症することもなく、
傷も健康な子より、少し塞がるのが遅かった程度でした。
Q.あいちゃんが発症しないために、どんな気をつけていますか?
A.一番は「ストレスなく、毎日ごきげんさんでいてもらうこと」です。
具体的には、寒い日はあたたかくし、ケンカにならないよう広い環境を与えています。
またフードは、獣医さん指定のサイエンスダイエットPROのみを与え、
免疫を高めるサプリメント「D-フラクション」も欠かさず与えています。
つまり「体」と「心」、両方に負担がかからないよう気を付けています。
Q.あいちゃんは、どれくらいのペースで病院に行っていますか?
A.ほとんど行っていません。
強いていえば、結膜炎になった時や、しこりが見付かった時など、緊急時のみ、
今では、年に2度行くか行かないか…程度です。
Q.医療費はどれくらいかかっていますか?
A.現時点では、普通の猫ちゃんと同じ程度です。
避妊手術代や、抜歯の手術には同じくらいの医療費がかかりましたが、
定期的に飲んでいるお薬もないため、薬代や定期健診費も特にありません。
一番高額なのは、サプリメントの「D-フラクション(1万円で2ヵ月程度)」ですが、
個人的には効果を感じているので、病院に行くよりお得かも(笑)
皮肉なもので、健康体でも癌になり、抗癌治療をすることになったビーの方が、
よほど医療費はかかっています。運命ってわかりませんね。
Q.猫エイズや白血病でも長生きできるのでしょうか?
A.私はそう信じています。
信じれば叶うと…信じつづけます。
※ 2009.12.24に、あいは猫エイズとも白血病とも関係のない病気で、瞳を閉じました。
獣医さんの見立てでは、年齢は12~13歳くらいではないかとのこと。
長い野良生活も考えると、けして短命ではなかったと思っています。
▽一人でも多くの方に病気を知って頂けるよう…お二つポチっと応援して頂ければしあわせです▽

フラフラと死にそうになりながら歩いていた彼女は、
偶然通りかかった私の膝によじ登り、
そのまま降りなくなりました。
歯という歯が抜け落ち、
ノミにシラミ、ダニだらけ。
3歳以上にもなるのに、体重は1.6キロ…
それでも懸命に生きようとする小さなこの命は、
不治の病 「猫エイズ」 と 「白血病」 に、
感染していたのです。
このブログは、
けして治ることのない大病を患う猫、あいと、
そんなあいを心から愛する、小さな家族の物語です。
■2009.12.24 あいは「おねんね」しました

あいは、出会って5年と10日経った穏やかなクリスマスイブの朝に、
ひだまりの中、ちょっと長いうたたねをすることに…したそうです。
年齢は、おそらく10歳以上。
猫エイズも白血病も発症せず、リンパ腫が原因の貧血により、
苦しむことなく、文字通り眠るように、家族の腕の中で目を閉じました。
(胸腺型でも消化器型でもなく、とても珍しいリンパ腫の状態であったそうです)
あたたかく見守ってくださった皆さんに、心から感謝いたします。
フィナーレのあとで(眠りに付いた日の記事)
■ほんの少し前のあい(2009年秋)

不治の病を患っていた“あい”との出会いから、
早4年半が経ちました。
「そう長くは一緒にいられないかもしれない」
と覚悟していた不安を打ち消すかのように、
今日もあいは元気です。
最新記事はコチラから
■あいの状態(2004-2009)
年齢:推定10歳以上(獣医さんの見立てでは、12~13歳以上ではと)
体重:出会い1.6kg→最高時5.2kg→永眠時4.1kg
症状:猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)FIV:陽性 発症せず
猫白血病FeLV:陽性 発症せず
腎不全の疑い(一度悪化した腎臓の値でしたが、最終的に全くの正常値)
背中に親指程のしこり(良性の脂肪の塊)
最終:リンパ腫により、脾臓、肝臓付近、腰下リンパ節の腫れ(腫瘍)。
胃腸を除く体中に転移が見られ、重度の貧血に。
(腎臓や肝臓、肺などすべて正常)
(猫エイズや猫白血病を発症した様子はない)
嘔吐は全くなく、痛みや苦しむ様子もないまま、貧血によりうつらうつらすることが増え、
家族の腕の中で、一瞬「ンゥ…ンゥ…」と声をもらした後、穏やかに眠る。
リンパ腫がわかってからの闘病(緩和ケア)記事はコチラから
食事:サイエンスダイエットPRO シニア

お薬・サプリメント:D-フラクション(12滴/1日)

■他の家族たちとあい
我が家には、あい以外に3匹の猫がいます。
皆、ノンキャリアー(猫エイズにも白血病にも感染していない)猫です。
本来ならば、キャリアの猫と、ノンキャリアの猫は、病気の感染を防止するため、
同じ空間で生活をさせない方が良いのですが、様々な事情からうちでは一緒に暮らしています。
幸運なことに、暮らし始めて5年、他の猫への感染は見られません。
「本当は別々に生活させた方がいい」ということを大前提においた上で、
我が家で一緒に暮らす上で気を付けていることを書かせていただきます。
何かの参考になれば幸いです。
(1)ノンキャリア猫に、白血病ワクチンを打つ
毎年一回、ノンキャリアの猫に予防ワクチンを打っています。
※ワクチンは、感染を100%防げるものではありません。
※ワクチンには副作用があるため、注射直後は腫れなど注意して、適切な処置を行ってください。
(2)あいの食器とノンキャリア猫の食器を別にする
我が家の場合は、あいだけ別のフードを与えています。
(3)あいが水を飲んだら、すぐに水の皿を洗い入れ替える
(4)あいがトイレをしたら、すぐに排泄物を捨てる
どちらも、水の飲み方やトイレの調子のチェックにもなるため、安心できます。
(5)ケンカをさせない
猫エイズは血の交じり合うような傷から感染することが多いため、
じゃれあいまでは様子を見ますが、なるべくすぐに止めるようにしています。
グルーミングも、あまり長時間はさせないようにしています。
(と言っても、どちらもあまりすることはないようなのですが…)
上記のようなことを、できるだけしっかり監視・フォローできるように、
仕事は家でできる仕事をすることにしました。
私の都合で、ノンキャリアの猫に、病気と背中合わせの生活を送らせているため、
感染の可能性を少しでも減らし、しあわせに長生きしてもらえるよう、
これからも「希望」と「覚悟」を持って、がんばりたいと思っています。
2008年9月追記
2008年8月、猫エイズのワクチンが発売されました。
我が家の猫たちは、まだ接種はしていませんが、ワクチンについてお知りになりたい方は、こちらのページをご参考ください。
■皆さんからよくいただくご質問
Q.猫エイズや白血病は人に感染しますか?
A.大丈夫です。感染しません。
Q.あいちゃんはすでに発症しているのですか?
A.いいえ。現在は発症している様子はありません。
一度、初対面の獣医さんに発症を告げられましたが、その後も元気で4年半経ちます。
Q.あいちゃんは抜歯をして口内炎が治ったのですか?
口内炎が酷い子は抜歯をした方がいいですか?
A.あいの場合、明らかに悪い歯の周りだけが歯肉炎になっていたため、抜歯をしました。
術後は至って良好で、今では全く歯肉炎もなく、口臭もすっかり消えました。

▲歯は残り3本ですが、歯肉炎やベロにあった舌炎も、今ではありません
(口の奥の黒いプチプチは「模様」です)
ただ口内炎や歯肉炎は、一概に歯だけが原因ではない可能性もありますので、
(猫エイズや白血病が原因だったり、免疫系の機能障害や主要臓器の疾患など)
もしも猫ちゃんが「歯が原因」で「すでに抜歯以外の治療済み」の場合は、
もしかしたら、抜歯や歯石除去で効果はあるかもしれません。
獣医さんにご相談下さい。
但し、抜歯には、以下のデメリットもあります。
◎麻酔をするため、高齢な子や腎臓が悪い場合など負担になる
◎エイズや白血病が発症し免疫力が落ちている場合、傷がふさがりにくい場合がある
◎歯の専門の動物病院でないと、抜歯ができない場合がある
Q.あいちゃん以外の子は、ワクチンを打っていますか?
A.はい。白血病のワクチンのみ打っています。
Q.猫エイズだと避妊手術で発症する可能性があると言われたのですが、本当ですか?
A.あいも手術の際「麻酔が原因で発症するかもしれない可能性」を示唆されましたが、
結論から言えば、発症することもなく、
傷も健康な子より、少し塞がるのが遅かった程度でした。
Q.あいちゃんが発症しないために、どんな気をつけていますか?
A.一番は「ストレスなく、毎日ごきげんさんでいてもらうこと」です。
具体的には、寒い日はあたたかくし、ケンカにならないよう広い環境を与えています。
またフードは、獣医さん指定のサイエンスダイエットPROのみを与え、
免疫を高めるサプリメント「D-フラクション」も欠かさず与えています。
つまり「体」と「心」、両方に負担がかからないよう気を付けています。
Q.あいちゃんは、どれくらいのペースで病院に行っていますか?
A.ほとんど行っていません。
強いていえば、結膜炎になった時や、しこりが見付かった時など、緊急時のみ、
今では、年に2度行くか行かないか…程度です。
Q.医療費はどれくらいかかっていますか?
A.現時点では、普通の猫ちゃんと同じ程度です。
避妊手術代や、抜歯の手術には同じくらいの医療費がかかりましたが、
定期的に飲んでいるお薬もないため、薬代や定期健診費も特にありません。
一番高額なのは、サプリメントの「D-フラクション(1万円で2ヵ月程度)」ですが、
個人的には効果を感じているので、病院に行くよりお得かも(笑)
皮肉なもので、健康体でも癌になり、抗癌治療をすることになったビーの方が、
よほど医療費はかかっています。運命ってわかりませんね。
Q.猫エイズや白血病でも長生きできるのでしょうか?
A.私はそう信じています。
信じれば叶うと…信じつづけます。
※ 2009.12.24に、あいは猫エイズとも白血病とも関係のない病気で、瞳を閉じました。
獣医さんの見立てでは、年齢は12~13歳くらいではないかとのこと。
長い野良生活も考えると、けして短命ではなかったと思っています。
▽一人でも多くの方に病気を知って頂けるよう…お二つポチっと応援して頂ければしあわせです▽
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